週刊SCP財団【第23週】
週刊SCP財団【第23週】
今週はホラー系オブジェクト第2弾です!今回は「死」に関するものや、「意味が分かると怖い」などといった、いろいろなジャンルを含んでいます。また、一部微R-18G表現を含んでいるところもありますので閲覧は各自判断でお願いします…
目次
SCP-2718: その後に起こるのは
全職員は、クリアランスに関係なく、いかなる状況においても、当記事の「説明」セクションに接触することは禁止されている。
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル: SCP-????はDAMMERUNGクラス認識災害です。全職員は、クリアランスに関係なく、いかなる状況においても、当記事の「説明」セクションに接触してはいけない。また、SCPナンバーは変則的ソフトウェアによって常に変更され、当記事を偶然発見するという最悪の事象を防ぐ。
また、次の条件は事実上の収容違反と同等である。
説明:
再生(本記事では本家記事が長いので要点をまとめただけです)
これらからわかることは、このオブジェクトはロジャーの「死の記憶」そのものであること。それは情報災害のようなものであること。それはどんどんと拡散していく、「ミーム的な反面」も持っているということ。
Ρωγερ, έχετε καταβληθεί τιμή, σοι μετατίθημι στον παράδεισο.
人間の死後の記憶など、まだ誰もわからない。だが、もしもロジャーの言っていること。つまり、彼の言う「絶するほどの絶望の中で息を止めているような、終わることのない窒息する夢」が現実だったら?
確かに、この記事はホラー創作サイトの一つのお話かもしれないけど、それが本当に「存在しない」という確証はないものかもしれませんね。SCP-101-FRかな?
SCP-2935: あゝ死よ
貴方もきっと、死になってます。
オブジェクトクラス: Keter
撹乱クラス: AMIDA
リスククラス: CAUTION
鍾乳洞内部に存在する時空間異常です。SCP-2935から発せられている無線信号に続いて財団職員に発見されました。SCP-2935は2016年の地球とほぼ同一の複製空間です。しかし、SCP-2935内部の生命は、生物学的なものも非生物学的なものも、また同様に知性ある実体・機械・コンピュータ・その他の"生きているような"現象も、全て2016年4月20日を以て死滅しています。これらはアメリカ東部標準時(EST)で0300-0400の間に、突然、何の前触れもなく死亡したという結論が出ています。この原因は不明です。
補遺1: 発見
このオブジェクト周辺のサイト-81にて、通信職員が無線信号を検出しました。この信号は、歪みが入り判読不能の状態ではあったものの、なんとか信号の原点を特定するために職員が派遣され、エリア探索中にSCP-2935が発見されました。
補遺2: 探査記録
ここの項は各自最初に読んできてください。理由ですか?ほぼコピペになっちゃうからです…(泣)
+探査ミッション2935ってやつ。4つ並んでるからわかりやすいね
例のごとく要点をまとめると
1: 出口周辺環境の調査とサンプルの採取
生きている植生が完全に欠如している。(枯れている)
チキンなど、食べ物が腐食していない。埃まみれなのに。
人も死んでいるが、腐食の様子がない。
中西部の夏場。そこには鳥の声、虫の声、車の走る音。何もかもがない。
恐ろしいほど静かじゃないか?
2: 財団サイトへの到達
AIAD(人工知能)の反応がない。プログラムは生きているが、応答がない
SCPオブジェクトすら死んでいる。あのSCP-682ですら。どんなものでも対応してきたアイツが。
エージェント・ケラーのみは他と違って腐食している。しかも他のものが死滅した19日や20日にこのサイトにはいなかったのに。
3: サイト-19まで移動
サイト-19に収容されている963、173、076すらも生きてない。
4: SCP-2935世界の評価のため、MTF E-13によるサイト-19の偵察と並行して、自動化されたドローンを飛ばす
エージェント・ケラー(3でサイト-19にいた人)がドローンをサイト-19で再起動。ドローン下部に収集したアーティファクトの包みを積み込む。
ケラー: 俺は答えを持っていません。初めからそれがあるとも思っていません。俺は今から為すべきことをして、それが全てを正すことを願うのみです。(沈黙) ここを封印してください。こいつを、俺たちと一緒にここに閉じ込めてやってください。すみませんでした。
この言葉をドローンに言ってからドローンから離れる。
サイト-19から離陸してから約2時間後、サイト-19の方角から大規模な爆発(現地の核弾頭が起爆したことを示すきのこ雲)が発見される。
結果
回収したものや映像記録等を調べると、一斉に死んだ時間はアメリカ標準時03:13だった。そして、サイト-81で発見した、暗号化された保安警報。復号化することで、音声記録ファイルが隠されていたことが判明。内容は
オーケイ、始めます。俺の名前は…いや、(笑い) そんなのは大したことじゃないですよね。俺は…かつては…サイト-81のスタッフでした。これを聞いている誰かさんはここで何が起こっているかを薄々分かってるはずなので、俺の方から財団について説明する必要は無いでしょう。でも、他の事柄については… 何でしょう、かなり自明のことじゃないですかね? 全く…これを記録しているのは、今…21時36分、東部標準時…4月26日。俺はどうにか自動封鎖やら何やら解除して81に帰還できました、それで…ご覧の有り様です。 何か説明が付けられればいいのに、と思います。もし…もしまだ出血してなければ、俺は夢を見ていると思ったでしょう。実際、これは夢だったんだという夢を見てましたよ。でも目を覚ましたら俺は未だにここに居ました、ここに…一人きりで…そして皆が死んでいる。 俺は、ジョッパの、70号線を少し離れた場所で検出された信号を確認するために派遣されました。ちょっとした探索任務で、俺が現地に一番近かった。俺はそこに駆けつけて、そこに…洞窟を見つけて…その反対側は、さっき離れたばかりの場所と同じようでした、でも— でも、そこはこの世界です。俺が辿り着いてしまったこの世界なんです。草も、鳥も、物が色々と空から落ちて来て、水の表面には黒い物が浮かび上がっていました。人々はそこら中で、立っていたはずの場所に倒れ込んでいました。そして、静けさが、悍ましいほどの沈黙がありました。と…鳥たちだけじゃない、虫の ― 虫の声すら…ただ風ばかりで、他には何も聞こえなかった。 俺は自分が見た物を報告するために帰還しました、そして… 俺は答えを持っていません。初めからそれがあるとも思っていません。正確な言葉で語る事すら出来ません。この世界は、俺が洞窟の中で見た世界とは違います。人々は動き回り、日付も異なり、全てが違う世界だった…だって此処は俺の世界、俺が離れた世界なんだ! ここには ― 俺の家族が、友人たちが此処にはいたんです。でも今は… 終わりました。全てが死に絶えました。邪悪な魔法も、超自然の星も、未来の光線銃も、偽物の真空装置も…何も残っていません。それらは何一つ、問題では無くなった。俺たちがやってきたことは何の意味も無くなった。何もかも終わったんです。 何かが…何かがあの洞窟の中に居たんだと思います…そしてその何かは、俺の後に続いてあそこから出てしまった。そこを出るために、そいつ自身を運ばせるためには俺が必要だったんでしょうね。そいつを解き放って、俺の世界に…こういう事をさせるために… 多分、俺です。俺が原因です。俺は多分…“死”になった。もし、それがあの洞窟の中にいて、俺がそいつを持ち帰ってしまったのなら、もう俺は死です。 俺は…収容室に立て籠もって、このクソ忌々しいドアを目詰まりさせました。今から眉間に銃弾をブチ込むつもりです。他の皆が死んでしまったんだ、一つぐらい増えたってどうってことないでしょう? ただね、ふと思ったんです…もし誰かがこれを聞いているのなら… 貴方もきっと、死になってます。音声記録ファイルの内容
つまりどういうこと?
この記事はめちゃくちゃ説明が難しいので、他の解説サイト様のほうが分かりやすいかもしれませんね。 個人的な解釈なので間違いがあるかもしれません。 SCP-2935は"死の概念"のようなもので、入口となっている時空間異常の影響を受ける、つまり入口を通して平行世界に入ってしまうと、「別の世界に行くとその世界は死ぬ」という最悪な呪い、(ゲーム風に言うと死の属性とか?)がかけられてしまう。もっと楽に解釈するなら、平行世界に入ってしまうと「無意識殺害系死神」になってしまう。もしかしたら「拡散力極めたウイルスがくっつく」の方が分かりやすい?んで、その状態で、「まだ生きている平行世界」に入ってしまうと、最初に説明した、生き物だの機械だのは死んでしまう。そういう、どうしようもない、死を待つだけのオブジェクト。 A世界のケラーはB世界に入る。 B世界は既に死になってて、それをA世界に報告しようと戻る。 A世界のケラーはB世界に入った時点で死になっていたので、A世界に戻るとA世界は死になってしまった。 こういう感じ。 それを悟ったケラーは自殺したり、チームと共に自爆したりしたわけですね。ケラーさん…解説
自分がトリガーで世界終焉とかほんと罪悪感と虚無感で死になりそう…
それ以前に何もわからず一斉に死になるから怖いな…
SCP-3001: レッド・リアリティ
愛してるよレッド、愛してるよアナ。
オブジェクトクラス: Euclid
瞬間的なクラス-C"ブロークン・エントリー"ワームホールの生成を通じてアクセス可能な逆説的な平行/ポケット"非次元"です。SCP-3001はほとんど物質を含んでおらず、0.032と極端に低いヒューム値を持っている。これにより、内部の物質の劣化は極めて遅く、通常は致命的となる損傷でも生体や電子機器の機能は奪われない。生物は肉体から70%以上いの組織が失われても、脳の40%が残存している限りは通常通り機能すると予測されている。しかし、長時間いると、物質はSCP-3001自体のヒュームレベルに近づき、物体自身のヒュームフィールドが崩壊するにしたがって重篤な組織や構造の損傷を引き起こす。
SCP-3001は当初現実歪曲技術の試験と収容を行うサイト-120で2000年1月2日に発見された。そのとき、ロバート・スクラントン博士と、その妻のアナ・ラング博士はサイト-120の主任研究者で、"ラング - スクラントン安定機"(LSS)と呼ばれる現在のスクラントン現実錨のプロトタイプの装置の開発を行っていました。で、予期せぬ地震により、サイト-120の現実性研究室AのLSSが損傷、スクラントン博士はSCP-3001に転送されました。
スクラントン博士は当初死亡したと考えられていたが、少なくとも5年11ヶ月21日は生存しており、その間彼は、SCP-3001内での経験と観察を、彼と共に持ち込まれたLSSコントロールパネルを用いて記録することができました。このパネルは、より発達した現実歪曲技術の試験の予期しない副作用により、回収されました。この記録はSCP-3001の研究の基礎となりました。新たな技術が開発されているにもかかわらず、スクラントン博士の回収と再統合は成功していません。
スクラントン博士のログの文書化は以下になります。
…と言いたいですが、各自で見てきてください。(全部写すと長くなるので)
はい。多分ここをを読んでいるということは見てきたのでしょう。ということで、ちょろっとまとめます。
1
[最初の8日の間、スクラントン博士からは解読可能または意味の通る発話は記録されない。彼はパニック、混乱、怒りを交互に繰り返しており、出口を探してSCP-3001内を移動しようと試みているように見える。11日目に彼はようやく録音機器に接近したが、さらに数時間、それが作動していることに気付いていなかった。]
なんてことだ、これは実際に録音してるのか?
2ヶ月、8日、16時間。
だが……周囲にはこの点に関して議論する相手もいない。私自身をつなぎとめるために、このコントロールパネルへ話しかけている。わ……私は記録し続けなければならない。将来、私のように終わる不幸な人間が出るかもしれない。そして……もしこれが外に出ることが出来たなら、それを発生することを防ぐ助けになるかもしれない。これが今私にできる唯一のことだ。そして私には何かすることが必要なのだ、ハハハハ……
……だから、ロバート……スクラントンは……新しいSCPを、将来の研究目的で記録する。それがやるべきことだ。始めるぞ!
ついにこの空間をSCPとし、研究することを決意した。
2
2ヶ月、11日、10時間。
アイテム番号:SCP、知らないよ、そんなのは。
オブジェクトクラス:Euclid、多分、だがわからない。状況によりアップデートしていく。もっと探索しなくては。
特別収容プロトコル:臆病に聞こえるかもしれないが……うむ……我々はこれを収容できるかわからない。ここは……明らかに地球上ではない。正直言って、ここがどこだかわからない。私は……この空間と安定機のプロトタイプが何らかの相互作用をしたと考える……あとでこれをまた説明する……オーケー、ええと……そう、私がどこにいるにせよ、これが収容できるとは思えない……生成と同じく。違う違う、私が探してた言葉はこれではない。ええと、進入、そうだ、進入の方がいい。私はここへとても酷い現実歪曲事故で入った、そして……違う、違う、ロバート、そんなふうになるなまだ、出口がないかどうかなんてわからないじゃないか。
2ヶ月、11日、18時間。
それで……待て、違う、説明だ、ロバート、フォーマットに従うんだ……この場所……私が考えるには何らかの現実性のギャップではないかと思う。ここは暗い。本当に暗い。内部では、この私の言葉が録音されていることを示す小さな赤いライトが唯一見える光だ。自分の手も見えない。ようやくコントロールパネルが見える程度だ。ライトを中心にして、どの方向へ何歩離れてるか覚えなくてはならない。まだ100歩以上離れたことはない。それ以上はとても……とても怖い。ハハ、もう髪が白くなってるんじゃないかと思うよ。見ることはできないけど。そう言えば最近頭も痒いんだ。そのことを考えなければ大丈夫だけど、でも顔全体がヒリヒリする感じがある。なぜかはわからない。
2ヶ月、15日、4時間。
オーケー……ふう、わ、私は少し落ち着かなくては、ジーザス、神よ、クソ……クソッ、クソッ……私は……私はこの場所の特性をまた一つ見つけた。ここまでずっと、ある種の……平面を歩いているんだと思っていた。小さな赤ライトを見続けながら、見える限界まで行ってみた。平坦な道を真っ直ぐ歩けるように感じた。ジーザス、頭が混乱している、アドレナリンがまだ出続けてるんだと思う……だが、私の仮説が正しいなら、そしてこれが一種の現実性なら……虚無だ、そして歩けるような地面はない。今考えてみると、ここにいる間、私は歩いているように感じた、だが何かの中を泳いでいるようでもある。そしてその何かは濃厚で、形にフィットして、それ自身の……圧力がある。適切な言葉とは思わないが、しかし忌々しいことに、この場所は筋が全く通らない、そして私は全力で理解しようとしてるんだ。わかるか?!
神よ……すまない。
つまり、思いつく限り一番いい表現は……濃い黒いゲルの中を歩くようなものだ。私を"表面"に留める十分な張力がある、しかしもし私が……十分強く下がろうと念じれば、降下できる。待て。待て待て待て待て、もっと……もっと試してみる必要がある。また戻る。
2ヶ月、17日、2時間。
進行方向は……特定の方向へ移動しようとする意識のインパルスに強く影響される。つまり、これは完全な現実性ギャップではない、少なくとも私とアナの理論によれば。もし - もし完全な現実性ギャップならば、私は全く動けないはずで、空間は存在しないはずだ。オーケー、オーケー、これで以前より筋が通ってきたぞ、凄い、凄いぞロバート、何かひらめきそうだ、考えるんだ。小さな赤から、平面を歩いて近づいたり離れたり出来た時点で気づくべきだったんだ。これで空腹や脱水で死なない理由も説明できる。ここではほとんど時間が経たない。オーケー。では私は小さな赤の直ぐ側に立って……"下へ"オーケー、ここから小さな赤を三次元空間の起点と考えるんだ。直進して……下がる、そうだいいぞ、そして……そして小さな赤のもとへ"上がって"戻る。そして赤を飛び越えて"飛ぶ"事もできる。ここでの移動は遅い。私の言ったように、ゲルの例えは最も上手い描写だ。
2ヶ月、22日、3時間。
アップデートのために戻ってきたぞ、レッド、サー!ハハハ、来いよレッド、気楽に構えてくれよlighten up 。ハ!駄洒落のつもりじゃなかった……レッド、ちょっとは笑えよ、面白いだろう!
「レッド」とは、このLSSパネルの赤い光のこと。よほど寂しいんだろうな…
……
何にせよよし。オホン。
この場所は依然としてKejelの現実性パラメーターの法則にはほとんど従わないようだ。ほとんどと言うのは、本当にほとんど無いんだ。私の計算が正しいのには自信がある、だけど……待ってくれ、もう一度チェックする……
ジーザス。よし、よし、大丈夫だぞ。オーケー、この場所は……もし我々が標準のヒュームスケールを使っているならば、私はヒュームスケールが……0.0……4くらいの現実性の中にいることは確実だ。そう、そう、これは本当に、本当に、本当に凄く低い。なので……私がさっき言ったように、時間も空間もとても小さなスケールで存在する。だから私の生体活動は栄養失調によって終わることはない。しかしそれは同時に……同時に何を意味するのかよくわからない。
さて、この時点で分かっていることをまとめると
- だいたいEuclid。
- 地球上じゃない空間で、とても酷い現実歪曲事故で入らない限り多分入れない。
- 何らかの現実性のギャップかもしれない。
- 暗い。何も見えない。見えるのはこのパネルの小さな赤い光のみ。
- なんか頭とかがヒリヒリする。
- 空間は虚無。地面はない。例えるなら、濃い黒いゲルの中にいる状態。
- 進行方向は、「そっちへ進みたい」と思うことで進める。(「前に進みたいと思ったら前へ」のように)
- 時間の流れが極端に遅い。それが原因で空腹や脱水で死ぬことはない。
- ヒュームスケールは0.04程度
という感じ。さすがだスクラントン博士。
アナ、こんな時はどうしたら良い?君の助けが必要なんだ。この……このヒリヒリした感じ……僕のヒュームフィールドが散逸している……僕の……僕の現実性が薄れていく……3年、僕は3年以内に自分自身を安定化させる必要がある。
ヒュームフィールドは高いものが低いものへ拡散していくみたいな…。砂の山を想像してほしい。砂を上からかけると、下の方へ流れてしまうだろ?そんな感じで、ヒュームも低い方へ流れてしまうんだ…。なんかスクラントン博士みたいな口調になってきたな
じゃあ……行くよ……また会おう、すぐに。
3
6ヶ月、10日、5時間。
ハロー、小さなレッド。しばらくぶりだね。
覚えているだろうけど……思い出して……自分がなんでそんなにワクワクしていたのかわからないよ。この場所は……神よ、この場所、この場所は……地獄だ。
ここに果てはない。それはただ、ただただ続くだけだ。
私はある方向へ2、実に2ヶ月旅し続けた。神様、私はなんてバカだったんだ。どうしてここから出れるなんて考えたんだ?まるで愚かな昔のヨーロッパ人が、海が途中で落ち込んでいると考えたみたいに。大馬鹿だ、ロバート、バカだ、ただ - ただ - あああああああああ -
すべては無駄になってしまった。
10ヶ月、28日、15時間。
底なんて無い。そしてお前もクソ野郎だ。
レッド、君はいい聞き手だ。でも君自身について話してるのを聞いたことはないな。言ってみろよ、恥ずかしがるなよ。ここには他に誰もいない。そうだろう?ハハハ……ハハハハハ……
"申し訳ありません、ロバート。それは出来かねます"ハハハ、レッド、君は面白いな。
4
[スクラントン博士の声は明らかに歪んでいる。彼自身とコントロールパネルがついに現実性崩壊したことが原因と考えられる。]
ロバート……寒い。私は……私はもはや足を感じられない。私は……私は以前話した……地点に到達したのだと……思う。低ヒュームフィールド……拡散……平衡……馬鹿な……ゴミの……山……
私にはもはやここにおける現実とは何かわからない。私が現実なのかはっきりしない。あるいは……それに近い……もし……もし私が本当にこうして消えるなら……わ……私はまだ死にたくない。死にたくない。おお神よ、私は死にたくない……
蜘蛛の巣だ。僕の左手、蜘蛛の巣みたいだ。
ヒュームフィールド、ブームフィールド……崩壊速度は……補正プロメル相関の定数はいくつだった?10の4乗か?いや、いや……5乗、5乗だった、と思う……
僕……僕の手。手がお互いにすり抜け……レッド、レッド、レッド!レッド、助けて、助けてくれ、僕の手、僕の手を感じないんだ。お互いにすり抜けてまるで……まるで氷水みたいに、レッド、僕は、ああ神様、神様……
ハハ。
ハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハ。
ハハハハハハハハ。ハハハハハハハハハハハ。
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。5年、14日。
5年、15日。
5年、15日。
5年、15日。
5年、15日。
5年、15日。
5年、15日。
5年、15日。やめろ、それは痛いんだ。
5
5年、9ヶ月、3日。
……
レッド?
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
5年、9ヶ月、3日。
[自動メッセージが97回繰り返す。やあ、おチビちゃん、僕を置いて行ってしまったのかと思った……[スクラントン博士の声は激しく歪んで、小さい音声のため、判別できる限界に近い。]
なぜかレッドと博士が話されてしまって、博士が戻ってきた。
この場所は狭くなってきてる。レッド、どうやったんだ?僕は……この場所には確実に終わりがある。神のみぞ知る……ベールみたいなものが遠くへ伸びていて、それに触れると凄く痛む。レッド、何が起きているんだ?
何故痛いのか?という疑問の答えは、自身よりも高い現実に触れているから。現実味がないから痛みを感じていなかったが、地震よりも高い現実に触れると現実味が増すから痛みを感じる。
暗く……暗くない。あのボーダーか何かはどんどん明るくなってる。いや、今でも凄く暗いでも……おお神よ、今は何かが見える。私、私は……おお、神よ、これは何なのですか?おお神よ、私がこれほど酷いとは知らなかった。おお神よ、神よ、神よ、殆ど無くなっている……
5年、10ヶ月、10日。
レッド、きみは硬い。まるで……違う、きみはとても硬い。君は……君は現実だ。そして……そして僕も君に触れていると現実になる。だけど……だけどそうするととても痛いんだ。君に触れていると自分がバラバラになりそうで……
およそ直径3キロ、そして狭くなってきている。これは……これはKejelの第4法則か?だけど……何をやってるんだ?ヘイ、ヘイ!私はまだここにいるぞ!止めてくれ!崩壊してるんだ!おおい!おおい!
崩壊ではない。波だ。これは波……何だと?
5年、10ヶ月、24日。
アナ、アナ、聞こえるかい?この波……この場所……オーケー、想像してみてくれ、2つの現実は重ねられた2枚の紙みたいなものだ。この場所は間で潰されたような空間だ。並行に、2つの現実性しか存在できないはずだが、この場所は小さい、でも無限の第3の……第3の……間の領域なんだ。まるでポイントAからポイントBへの橋を横切る穴に落ちた時のように。クラス-Cワームホールを思い出してくれ。その理論はたくさんの穴があるワームホールについてのものだ。ここは……ここはそういうワームホールが導く場所の一つだ。それは別の世界へと導くのではなく、無へと導くのだ。行き止まりだ。この場所は行き止まりだ。クラス-C"ブロークン・エントリー"。
この波は、いずれにせよ、この場所と相互作用している並行現実から来ているんだ。つまりこの場所が極めて微小な隙間に存在していることを示している。そして……私とレッドを押している……なぜなら我々にはある程度の現実性が残っているからだ。そこへ向かって押して……あるいは吸い出している。次第に新しいワームホール……ホームへと向かう……ワームホールを作りながら。
……
窓が閉じて、私が帰った時何が起こるんだ?
ああ、ごめん、責めてごめん、レッド、違うんだ、来てくれ。そんなつもりじゃなかった。見てくれ、君は僕の友達だ。わかった?君は、僕の最高の友達だ。でも……これに向き合おう、君のほうがここを出られる可能性は高いんだ - ……僕をひとりにしてくれ、頼むよ、レッド?少しだけ……オーケー?僕は本当に……
ここでレッドを元の世界へ、博士はこの世界に残ることを決意。
[鳴き声と呻き]あと5年、あと5年、これが続いたら、あと5年自分を再安定化できたら、僕はどうすると思うレッド?!
[続く5日の間、コントロールパネルは低周波のハム音がパルス状に聞こえるのを拾い始めた。音量は次第に大きくなり、それとともにスクラントン博士の叫び声、泣き声、理解できない会話がバックグラウンドに聞こえる。]
[声が震えている]レッド。
[この時点で背景のハムノイズは20パルス/分検出される。]
5年、11ヶ月、9日。
たすけて。 [大きなビチャビチャという音が聞こえる。何かがコントロールパネルを叩いていると思われる。]
この世界には博士とレッド以外の存在はいない。つまり、ビチャビチャという音を立ててパネルをたたいているのは博士ということになる。どんな姿なのか…。知りたくもない。
……
アナ、君の脳をくれ、僕には半分しかないんだ。
……
[ハム音が1分あたり46回観測される。]
[泣く。]
[囁き。]すまない、アナ、そんなつもりじゃなかったんだ。ごめん、ごめん、ごめん、怖かったんだ。本当にごめん……[泣く。]
[囁き。]オーケー、大丈夫だ……もう1つの出口を見つけた……まだ僕の体は十分残ってる……[音声の乱れとともに、震える笑い声。]あともう5年……何かを……思いつくまで……5年[笑い声は泣き声に変わり、続く1時間で次第に静かになる。]
愛してるよレッド、愛してるよアナ。
5年、11ヶ月、20日。
レッドとの別れを迎えた。
[ハム音は60回/分。]
……
[静かに泣く。]ア……ナ……[スクラントン博士の話し方はほぼ通常通りである。][大きな金属音が聞こえ、続いてコントロールパネルを何かが叩くような音がもう一度聞こえる]
5年、11ヶ月、21日。
2005年12月23日、LSSコントロールパネルはサイト-120試験施設、現実性研究室Aに自発的に出現しました。
そして、妻であったアナとその助手たちが発見。
パネルから音声記録が流れ、そこで医療チーム出動要請をうけるところで音声ログは終了。
孤独の空間で一人、ずっと耐え続ける博士。彼は今大丈夫だろうか…
そして、孤独というものは本当に恐ろしいということが分かった気がする…
SCP-3007: 二人の芸術家の世界
警告
以下の文章はレベル6情報災害として分類されます。 権限のないアクセスはミーム殺害エージェントによる終了をもたらします。 自己責任で進行してください。
ミーム殺害エージェント起動
継続的な生命兆候を確認
ファイル検索中…
オブジェクトクラス: Keter
SCP-3007-1再発する幻覚現象で、年齢、性別、人種、健康状態、職業にパターンはない。-1は常に世界中の約██人(-2に指定)に影響を及ぼしていて、財団による排除の取り組みにも関わらず新たな事例が絶え間なく出現している。現在、対象の殺害以外に-1の阻止や停止に効果的であることが示された方法は存在しません。-1は一見不定期に生じ、各被験者において1日に4回発生します。持続時間は典型的には50~80分です。
影響を受けた被験者は、-3と指定した場所に移動したと主張します。被験者の間でほとんど同じですが、地球上のどの既知の場所にも類似しません。-1は度々複数の被験者で同時に起こりますが、-3内で出会った例はない。-1を体験している間、被験者は完全な身体動作を行うことができますが、聴覚、および触角でしか現実を知覚できません。そのため、被験者は影響を受けていない人物とのコミュニケーションを維持しながら-3の探索が可能。また、視覚、嗅覚、味覚は現実と区別できない。
また、-3内で得た、いかなるトラウマや外傷も現実の被験者に反映される。-1を体験している間に取られた行動により、高高度の影響から██人の被験者が死亡しています。さらに、-3から発生する音は、実際に-2の半径2m以内ではっきりと認識することができます。
SCP-3007-2によるSCP-3007-3の芸術的描写。絵画は見られない(補遺3参照)。(大きい画像なので折りたたんでいます)
補遺1: 初めて-3について言及された、3007-2Cに対するインタビューログ。
対象は退職した68歳の韓国人女性(SCP-3007-2C)
以前はイラストレーターだった23歳のオーストラリア人男性。著しく高い記憶能力を持つことが確認されている 要点だけ SCP-3007-2GV: より近くに来たが、ここの周りにはもっと気味の悪いもんがあるぞ。六つ翼のあるジェット機が、オレの橋の下でぶっ壊れてる。 暫くの間引っかかってたんだな。[静止]コックピットのパイロットが見えるぞ。クソ… 体が真っ二つに割られてて、 それぞれが両側から乗り出してる。なんてことだ、ここはひどくメチャクチャだ。 SCP-3000-2GV: よし、自分は今柱を見上げてる。思ってたよりでかいな。円筒状で、厚さは40mぐらいある。もっとかもしれない。 SCP-3007-2GV: うーん、多分飾りだが、カラフルなパッチが見える。階段が柱に巻き付いてて、頂上に続いてる。んでもって臭いが……なんてこった。 SCP-3007-2GV: 死体だ。くっそたれな死体の集まりだ。根元の周りに集められて、もろとも潰れてる。 何人そこにいるか数え切れねぇ…クソ… SCP-3007-2GV: ええと、ここから、建物のおかしな部分に気づいた。建物は瓦礫になるか、爆破されてるだけじゃないんだ。いくつかはカールしてたり、切断されてたり、粘土みてえに押し潰されてたりしてる。むしろ変形してるみてぇだ。子供が手にとって、ヘンな形に曲げたワイヤーみたいに。 SCP-3007-2GV: 船と死体さえも同じだと思う。以前人間だったように、殆どの死体は人の特徴を持ってた。地震はそんなことはしない。それは意味をなさない。何がここで起きても、それはただの破壊じゃなかった。ソイツはこの場所で遊んだんだ。 SCP-3007-2GV: 今、最初の絵を見つけた。細長くてオレよりも高さがある。柱の周りに2、3個あるのが認識できる、階段のすぐ傍だ。柱そのものが絵を見せる為に設計されたみたいだ。 SCP-3007-2GV: 2番目の絵の上に来た。最初の物よりももっと難解だが、いくつか飛行機があるのが見える。しばらく前に見つけた、6つの翼の奴だ。 SCP-3007-2GV: ジーザス… この絵はクソッタレだ。いくつかの死体があるが、まだ生きているように見える。クソ、臭いをまた思い出しそうだ。 SCP-3007-2GV: 先生、 オレ… ああ、アンタの言う通りだ。どうせなら最後まで見届けるか。 風が今大きくなり、被験者が異なる表面に足を踏み入れると、被験者の足音がほとんど消える。被験者は突然支離滅裂に叫び始める。 鈍い衝突音に続いて、何かが擦れる音が聞こえる。 SCP-3007-2GV: 嘘だろ…何だよこれ!何なんだよこれは! [吐こうとする。] ████博士: 何が見えていますか? SCP-3007-2GV: 知らねぇよ。 今まで見てきた奴全部みたいに干からびてる、けどこれは― これはデカい!顔は自分の10倍ぐらいに大きいし、体には、ああなんてこった、腕がいっぱいあって、ところどころ抜け落ちてて曲がってて― [叫ぶ。] ████博士: R█████さん、パニックにならないでください。それは死んでいる、そうでしょう?それはあなたに少しも危害を及ぼしません。 SCP-3007-2GV: 違う、先生、死体だけじゃない、死体の下にある絵だ。 最後の一つだ。未完成だが、それでもわかる…… ああ神よ…どうしてここにあるんだ?このクソッタレは [アクセス拒否- 補遺4を参照]。 探査ログ 3007-GV
1枚目
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2枚目
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3枚目
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4枚目
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作者様の絵の解説の要約
遠い昔、どこかの世界に神様が居ました。神様は自分の子供を作り、生きるための素晴らしい世界と多くの贈り物を与えました。数千年くらいはうまくいっていました。
子供たちは宇宙探検をし始め、偶然にも「それを知っているすべての人の後にやってくる、強力な情報災害的実体」を見つけてしまいました。
そしてそれはついにその世界へやってきてしまいました。そして、それは建物や贈り物を娯楽のために壊しました。そして、子供たちの代表は神様にこの世界から抜け出すように提案しました。神様はその世界に残り、それを食い止めることにしました。
神様は子供たちと贈り物を別の世界へ逃がしてあげました。そして、子供たちは神様のことや贈り物のことを忘れてしまいました(記憶処理)
でも、忘れないように、子供たちが古い世界に”再訪”し、認識災害情報に合わせるというイベントを作り出しました。そして、最期に神様は古い世界の出来事を語る柱と絵を作り、行動するための警告と説明をしました。
あいつが、神様を殺したあいつが地上にやってくるまでもうすこし。
絵も不気味…というか意識が吸い取られるような感じだし、内容も怖いし、あいつも怖いし…やばい(恐怖による語彙消滅)
あとわかりやすいかなって思って色付けたけどなんか…逆効果やな…
SCP-2616-JP: 雪中送炭
ただあの小屋が絶対におかしいことだけは断言できる。
オブジェクトクラス: Safe
赤石山脈の山頂まで100mの位置に存在する避難用の山小屋です。外見上は2階建ての木造建築。電化はされておらず、内装も素朴。木組みの床とテーブル、石造りの大型暖炉しかない。また、屋内には暖炉の燃料として薪の束が一束、着火道具としてバーナーや火かき棒が置かれている。
異常性は下記の
- 小屋の正面入口周辺の地面に積雪が2cm以上存在すること
- 積雪した地面を観察するものがいないこと
- 任意の燃料を小屋内部の暖炉に入れ、点火すること
これらの条件が満たされたときに発現する。
また、異常性は
- 暖炉に投入された燃料は、酸素が十分ではなくても完全に燃焼。燃焼産物は二酸化炭素のみ。
- 投入された燃料が燃え尽きた場合、即座に正面入口のドアがノックされる
- ドアを開けると、ドアの横にさっきまで使っていた燃料が新品の状態*1で出現している。
これらの異常性は緊急時の避難先として非常に優秀で、かつ異常性が察知されにくいこと、同登山ルート上に他の避難小屋が存在しないことから、このオブジェクトには特段の収容措置が取られていない。また、不特定多数が利用することと、極めて有用な異常性に干渉するかもしれないことから、小屋内部および周辺には監視カメラも設置されていません。小屋内部には、遭難者の救出・保護のための遭難信号発信機が財団によって設置されます。
補遺: 2014年2月、SCP-2616-JPに滞在した2人の遭難者を保護。うち1人は恐慌状態だったのでインタビュー。
インタビュー記録-2616-JP-05
実施日: 2014/02/17
質問者: 高山部隊長(以下質問者)
対象者: 森川氏、山村氏(以下森川、山村)
[記録開始]
質問者: 落ち着きましたか?森川さん、山村さん。いくつかお話をお伺いしたいのですがよろしいでしょうか?
森川: (青ざめた顔で)あ…ああ。大丈夫だ。
山村: 僕も大丈夫です。
質問者: では、お二人はどうしてこの時期に山に入ったのです?もう数日前から大雪警報が発令されていましたが……あ、これは決してお二人を責めているわけではありません。ただ事実関係を把握する必要がありますので。
山村: 僕は森川さんに誘われて……森川さんは山歩きの達人なので、きっと大雪でも彼がいれば大丈夫だろうと思いました。
森川: あ、ああ。俺は何度も真冬の山を登ったことがある。今回はこいつを鍛えたくて連れてきたんだが、まさか遭難するとはな。
質問者: 失礼ですが、お二人はどういうご関係で?
山村: 森川さんは大学の登山サークルでの先輩です。僕、いつも森川さんのお世話になってばかりで……今回も、僕があんなにトロくなければ遭難することもなかったのに。
森川: ああ、全く。あの小屋を見つけなかったら、 二人とも野垂れ死にするところだったぞ?お前はもっと体を鍛えろとあれ程言ったのに。
山村: はい、すみません、先輩!
質問者: 森川さんの顔色が随分と悪いように見えますが、あの小屋で何かあったのですか?
森川: あの小屋!あれはおかしい。あれがなかったら死ぬところだったが、あの小屋は絶対におかしい。
質問者: おかしい、とは具体的に言うと?
森川: 当時は外がすごい吹雪いてたから、部屋の中に置いてある薪で暖炉に火をつけたんだ。意外と燃えがよく部屋があっという間に温まったが、そのせいか薪がすぐ燃え尽きてしまった。すると、小屋のドアを誰かが叩いたんだ。もしかしたら他の遭難者かもしれないと思って、ドアを開けてみたんだが、誰も居なかった。代わりに、ドアの横に薪の束が置かれていた。
質問者: もしかすると、近所の親切な人かもしれませんね。
森川: 俺もそう思ったんだけどよ。けどその薪の束を使い切ると、またそいつがドアをノックしてきて、ドアの横に薪の束が置かれてたんだ。何度も何度も。気になって薪の束をよく見たら、木目の位置もさっきまで燃えていたものと同じなんだ。それって、どう考えてもおかしいよな??
質問者: なるほど……確かに不思議ですね。その件については私たちも調べてみます。ところで…山村さん、先程から会話に参加していませんが、当時は何か気になることはありましたか?
山村: 僕?部屋があたたまるとすぐ寝てしまったもので、ノックの音も気づきませんでした。でも途中で急に寒くなって、起きてみたら自分が玄関のところで寝転がってたのでビックリしましたよ。
森川: 暖炉の換気が悪くなって一酸化炭素が出てしまったんだ。俺がお前を外に運び出したんだぞ?せいぜい感謝しろよ。
山村: はい!命の恩人です!先輩!
質問者: 他に何か気づいたことはありますか?
森川: それ以外はないな。ただあの小屋が絶対におかしいことだけは断言できる。
山村: ほとんど寝てましたので、特にありません!
質問者: それでは質問は以上となります。ご協力ありがとうございました。
[記録終了]
終了報告書: インタビュー後、両名はクラスA記憶処理を施された上で解放されました。また、発言にはオブジェクトの異常性と矛盾した点が見られるため、財団は調査をすすめるとともに両名の動向を監視しています。
解説
この森川氏は、実は山村氏を殺害する予定で登山に誘ったのだ。そもそも初心者っぽい山村氏をこの大雪警報が出る時期に誘うだろうか?普通は危険だから誘ったりはしない。だが、誘った。作者様の解説では、元々は単純に山村氏を大雪の山に一人置き去りにして、自分だけ帰ろうとするつもりが、偶然山小屋を発見したため計画を変更したらしい。
これはいわゆる「意味が分かると怖い話」ってやつですね。
SCP-CN-996: みつけたよ
もう君をみつけてるよ
オブジェクトクラス: Euclid
サイト-CN-34内部で発生する異常現象です。影響を受けた人間が所在する密閉空間と外部を連絡している戸や窓が内部から開かなくなる。同時に、壁面や床、障害物の表面には大量の眼球が徐々に浮かび上がる。少数の発生事例において、影響を受けた者は使用している電子機器の画面上に大量の無意味な文字符号が出現したり、空間の四方から低く沈んだ衝撃音が発生したと報みいつけた。影響を受けた空間を外部から強引に開みいつけたイベントが終了し、空間の異常はすべて消失する。精神的に来るわぁ…
サイト-CN-34の監視システムはあなたがSCP-CN-994の影響を受けていると判断しました。その場から動かず、鎮静状態を保ってください。機動部隊-庚午-23(”不可視”)はもう君をみつけてるよ
うん…純粋に怖いわ
SCP-8900-EN: 青い、青い空
諸君、我々は失敗した。
オブジェクトクラス: Keter
接触によって感染する、可視スペクトルに影響を与える複雑な知覚現象です。
諸君、我々は失敗した。SCP-8900の影響はあまりにも広く拡散し、ありふれたものになってしまった。空の自然な青は下品で不自然な色合いに変わり、木々の緑は等しく汚された。SCP-8900は全ての可視スペクトルに荒廃をもたらし、我々は覆い尽くされた。 正反対の影響を及ぼす「感染症」を作り出すという試みもまた失敗した。我々は被験者に対して自然な色彩を復元させることに成功したが、この処置は被験者の口を利けなくしてしまうようだ。その上、今しがた使者がオフィスに到着し、我々のささやかな試みが収容違反を起こしたことを伝えてくれた。未来のエージェントはその性質から、これをSCPオブジェクトとして扱わなくてはならないかもしれないな。 我々にはたった一つの選択肢が残されたのだ、諸君。私は財団の最終フェイルセーフ手段、アンニュイ・プロトコルを実行する。 適切な権限を持つ君達がこのメッセージを受領する頃には、財団は世界中の資源を動員し、保有する中で最も微細な効果を引き起こす記憶処理薬である化合物ENUI-5、その大量散布を終えていることだろう。世界中のこのような恐怖を味わうべきでない男女が、立ち止まり、困惑し、自らの生活に戻るだろう、この現象が常に存在していたと確信し、何を失ったかを決して知らないまま。ただ一つ、SCP-8900の影響を受けていない写真のみが真実を伝えていくことだろう。私は残念でならない、諸君。本当に残念だよ。 これはやり遂げられねばならない。 — O5-8. 確保、収容、保護。O5-8の机より発見
我々の知らないところで、財団は失敗し、SCPオブジェクトの影響を受けていると考えると恐ろしい…。もしこれが可視スペクトルに影響するだけのオブジェクトじゃなかったと考えるとほんと怖い。世界終焉シナリオかな…
最後に
どうも鶴です。えー、たぶん過去最長です。怖い。この時点でこの記事も怖いです。え?引用で文字稼いでるんだろって?…ご名答(泣)
だってこの記事20000文字超えるんですよ…はてなブログの上限の5分の1ですよ?怖くないですか?
ちなみに、記事執筆に約12時間かかってます。疲れた。寝ます。おやすみなさい。
次回は何しよう…。最近次回予告が予告してないことが悩みです(唐突)
お楽しみに!(ごり押し)
引用元リンク
SCP財団へのリンクです。
SCP-2718: その後に起こるのは
SCP-2935: あゝ死よ
SCP-3001: レッド・リアリティ
SCP-3007: 二人の芸術家の世界
SCP-2616-JP: 雪中送炭
SCP-CN-994(記録用:我看见你了/みつけたよ) - SCP財団
SCP-CN-994: みつけたよ
SCP-8900-EX: 青い、青い空
ありがとうございました。
著作権表記
Author: Michael Atreus
Title: SCP-2718 - その後に起こるのは
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-2718
CC BY-SA 3.0
Author: djkaktus
Title: SCP-2935 - あゝ死よ
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-2935
CC BY-SA 3.0
Author: Oz Ouroboros
Title: SCP-3001 - レッド・リアリティ
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-3001
CC BY-SA 3.0
Author: Zhange
Title: SCP-3007 - 二人の芸術家の世界
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-3007
CC BY-SA 3.0
Author: BenjaminChong
Title: SCP-2616-JP - 雪中送炭
Source: http://scp-jp.wikidot.com/scp-2616-jp
CC BY-SA 3.0
著者: AndyBlocker
和訳: snoj
和訳版画像: miku氏の自作画像を元にsnojが作成, CC BY-SA 3.0
INT版: SCP-CN-994 - I See You
Author: tunedtoadeadchannel
Title: SCP-8900-EX - 青い、青い空
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-8900-ex
CC BY-SA 3.0
*1:薪だったらちゃんと縛られた状態で、ガソリンとかならちゃんとした容器に入った状態